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2026.6.10

勝利とは何か。

窪木一茂選手(TEAM UKYO所属)とともに描く未来 ”その挑戦が示すもの”

「世界一になっても、まだ足りないと思った。」

そう語るのは、窪木一茂選手。
2024年、UCIトラック世界選手権スクラッチで優勝。
世界王者の証であるアルカンシェルを手にしたその瞬間でさえ、彼の視線は次の目標へと向いていました。

世界の舞台で挑戦を続ける窪木選手は、いま何を見据え、どのような意識で競技に向き合っているのか。
その姿は、競技の枠を超えて、成長のあり方そのものを問いかけているようにも感じられます。

本記事では、インタビューを通じて見えてきた「現在」と「その先」に焦点を当ててご紹介します。


窪木一茂選手が見据える「勝利の本質」

▼インタビュー動画はこちら

窪木選手がいま見据えているのは、単なる結果としての勝利ではありません。
世界最高峰の舞台でのメダル獲得を目指しながらも、その過程にある「精度」に強く意識を向けています。

目標として掲げているのは、200mや1km、4kmといった具体的なタイムです。
その一つひとつにどれだけ近づけるかが、最終的な結果を左右します。

一瞬の結果ではなく、そこに至るまでの準備や積み重ね。
世界で戦うために問われるのは、日々のトレーニングの質や、細部まで突き詰めた精度です。

レースにおいても、その姿勢は一貫しています。
流れを待つのではなく、自ら動いて展開をつくる。
主体的にレースをコントロールすることが、結果へとつながっていきます。

目の前の結果だけでなく、その過程にどれだけ向き合えるか。
その姿勢は、競技に限らず、これからの成長のあり方にも通じるものがあります。


世界一のその先へ

2024年、UCIトラック世界選手権スクラッチで優勝。
窪木選手は世界王者の証である“アルカンシェル”を獲得しました。

しかし本人は、その結果について「通過点だった」と語ります。

目標は、あくまで4年に一度の大舞台でメダルを獲得すること。
世界一という称号でさえ、最終到達点ではありません。

続く2025年の世界選手権。
オムニアムでは序盤から好位置につけ、「このままいける」という手応えもありました。

しかし、わずかな油断が結果を左右します。
種目間の時間で生まれた余裕が、集中力のわずかな揺らぎにつながりました。

結果は銀メダル。
日本人エリート男子史上最高位でありながら、「まだできた」という感覚が残りました。

この経験が示しているのは、世界との差が「大きな壁」ではなく、
コンディション、判断、集中力といった“わずかな精度の違い”にあるということです。


勝負を分けるのは、技術だけではない

インタビューを通じて印象的だったのは、
結果を左右する要素が、技術やフィジカルだけではないという点です。

周囲への感謝、支えてくれる人への意識、そして環境づくり。
そうした人間的な側面もまた、競技力と直結しています。

競技に集中できる状態を自ら整えること。
そして、周囲から「応援したい」と思われる存在であること。

それは、単に強くなるための要素ではなく、
社会の中で人としてどう在るかという問いにもつながっています。

現在は、身体の使い方の見直しにも取り組んでいます。
上半身の可動域を広げることでペダリング効率を高め、より再現性の高い走りを追求しています。その積み重ねの先に、次なる大舞台があります。

なぜ、この挑戦を支えるのか

窪木選手の言葉に一貫しているのは、
「自分だけ強くなればいい段階ではない」という認識です。

世界で戦う中で得た経験を、次の世代へ還元していく。
その意識は、個人の成績を超えて、競技全体の価値を高めていきます。

トップ選手の挑戦は、次の世代の指標となり、新たな挑戦を生み出します。
その連鎖が、競技の未来をつくっていきます。

そして同時に、競技を通じて育まれる価値は、
次の世代の生き方にも影響を与えていきます。

JPFが窪木選手を支援する理由も、まさにそこにあります。

競輪という仕組みの中で生まれた資源を、
世界で戦うトップアスリートの挑戦へとつなげること。

そして、その姿を通じて、次の世代へと可能性を広げていくこと。

窪木選手の挑戦は、個人の成果にとどまらず、
競技の未来そのものに影響を与える力を持っています。


挑戦は、未来へとつながっていく

日々の積み重ね、精度の追求、そして環境づくり。
そのすべてを高いレベルで重ね続けた先にしか、結果はありません。

窪木選手は、いまもなお進化を続けています。

その挑戦は、一人のものにとどまらず、
次の世代へ、そして競技全体へと広がっていきます。

JPFは、その挑戦を支えながら、
自転車競技の未来づくりに取り組んでいきます。

その中で育まれる経験や価値が、
次の世代の可能性を広げていくと考えています。

自転車に乗ること、競技に挑戦すること。
その一つひとつの経験が、どのような成長につながっていくのか。

窪木選手の姿は、その問いを私たちに投げかけています。


なお、窪木選手のこれまでの歩みや背景については、以下のインタビュー連載でも詳しく紹介されています。

学生時代の転機や、日本代表を目指した原点について
https://www.cyclesports.jp/topics/147466/

ロードでのプロ選手時代や、より厳しい環境を求めて挑戦を重ねた歩み
https://www.cyclesports.jp/topics/149760/

代表選考を経て生まれた変化や、競輪選手養成所での経験、現在の挑戦
https://www.cyclesports.jp/topics/150454/


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